ノジマケンジとロクセンチの 言と音(こととね)諳(そら)の物語
『ケロのソラシドレ#4〜冬のルルル〜』
野島健児さんとの朗読と音楽で綴られるおはなしは冬が舞台となりました。
これまでもその季節に合ったテーマをもとに朗読や新曲を制作したり、選曲をしてきましたが、今回は冬だからこその温もり豊かな内容となりました。
外はキンキンに冷えた世界であってもその頭の中のファンタジーはあたたかで心は熱い物語になりました。
<朗読詩と楽曲のセットリスト>
朗読1 パール コスティーニェ ロミッテ
M1Having a good time
朗読2 料理に大事なソラシドレ(冬バージョン)
M2 シチュー
朗読3 冬が嫌いな雪だるま
M3 ふたり
M4 もぐりこみたい
M5 たまねぎ
朗読4 この100年でいちばんのワイン
M6 ポートワインをご一緒に
M7 今日が終わってしまう前に
朗読5 あの頃の僕と君
M8 つぼみ
(En)
朗読6 甘いものがお好きでしょ?
M9 たべさせタイ
M10 新曲
今回の中原明彦書き下ろしの朗読は「パール コスティーニェ ロミッテ」。
生き物の気配がしないほどの極寒の風景やその中にぽつんとある喫茶店、マスターである一人ぽっちの人間の心の揺らぎが、サイフォン式で淹れるのコーヒーの湯気と混ざり合って、もんやりとしたあたたかさが会場に充満しました。
野島健児さんの作品は「料理に大事なソラシドレ」と「冬が嫌いな雪だるま」。
ご本人から寒い冬は苦手というお話をお聞きしていましたが、でも冬だから美味しいお料理があるし、寒い冬を越したあとの春の喜びがあって、なんだかんだいっても冬も悪くないね、くらいの野島さんご本人のやわらかさと前向きさが作品に投影されていました。お話の途中主人公の雪だるまが出会うカラスや猫、おじいさんはロクセンチが担当、おだやかな会話のやりとり、、、なんだけれど、、あっつぃ、、、とても緊張しました。
全体を通してファンタジーがちりばめられていた冬のケロの物語、外気の寒さをよそにあたたまった部屋でゆっくり本を読んでいるような、静かででもわくわくするような空間になったとおもいます。やればやるほど、面白さを増すケロ公演、3回の公演はそれぞれに見える風景が違って、その都度、朗読も歌も音も変化していきました。全公演終了したあとは、冬の寒さはどこかへ、もう春が来た!気分でした。
寒い中、お越しいただいたみなさん、ありがとうございました。
野島健児さんとロクセンチの朗読と音楽が混ざり合う世界、きっとまた、再び紡がれることになると思います。
またそのときまで楽しみにしています。