『そこにピアノがあるのなら 2022秋』

そこにピアノがあるのなら、音を奏でよう!歌をうたおう!
ライブイベント『そこにピアノがあるのなら』シリーズは吉祥寺 曼荼羅で不定期でやらせていただいており、今回で3回目の開催となりました。
毎回すばらしいボーカリストをお迎えし、伴奏はロクセンチ山田のピアノだけというシンプルな編成でお届けしております。

今回もみなさんに楽しんでいただけるイベントにするのはもちろんのこと、それとは別に新型コロナやら自分の入院やらでライブができておらず、今年9月にライブ復帰第1戦のイベントを経て、この日は第2戦目、(負けられません!)という裏テーマもありました。
そんなこんなで気合十分、出演者の方々に手厚く協力してもらいつつ、リハーサルもみっちり、コラボレーション企画も大いに盛り込んで準備を進めました。

さあさあ!はじまります!
冒頭に山田から短くごあいさつさせていただき、さっそく本日1曲目のイントロを弾き出すと客席からmogmocoのお二人がステージに駆け上がってきてくれました。

mogmoco セットリスト

1 Running Wild
2 His eye is on the sparrow
3 You’ve got a friend (with IKU)
4 Sukiyaki
5 cabaret 〜 I move on

「Running Wild」からワイワイと幕を開けたmogmocoステージ。一瞬にして会場が温まったところですかさず、「His eye is on the sparrow」をじっくりと歌い上げました。この曲はmogmocoの声歌を客席のみなさんに「浴びてほしい」という希望からわたしからリクエストさせてもらった曲でした。
勝手なイメージですが、mogmocoさんの歌は聴くより浴びるのほうが表現として合っている気がしています。

そして、早々と本日1つめのコラボレーション曲はIKUさんとmogmocoの女性3声コーラスでキャロル・キングの名曲のひとつ「You’ve got a friend 」。重厚でいて華やかな声のアンサンブルは全身にビリビリと響きました。
「Sukiyaki」ではバラード調のアレンジでおふたりが主にソロパートでうたいました。「ひとりぼっちの夜〜」の歌詞がより切なく思いました。
最後はお二人らしく明るく賑やかに「cabaret」から 「I move on」をメドレーアレンジで駆け抜けました。
歌謡曲からゴスペルまで縦横無尽な選曲でそのすべてをしっかり届けてくれました。さすがです。

お次はIKUさんが登場。普段のライブではピアノ弾き語りスタイルで活動をしていて、なんと今回初めて"自分ではないひとのピアノ"でうたうライブだそう。
これはプレッシャーです。アレンジや呼吸により一層気を配らなければ。

IKU セットリスト

1 夜空ノムコウ
2 金魚と泡粒
3 中央線(with 中原明彦)
4 エイト
5 ぼくらが旅に出る理由

「夜空ノムコウ」ではIKUさんの声に隠れている少年のような声成分が曲の純粋なイメージと重なりました。いい声だなぁ。
「金魚と泡粒」はIKUさんの大人な世界観がありました。いつもは自分でピアノを弾きながらうたっている曲のひとつで、それならば間奏には山田風アレンジを入れてみようということで"ふわりとしているけれど色合いは暗めなイメージ"で挑戦しました。一方、IKUさんは幅広なダイナミクスで情感たっぷりにうたってくれました。

3曲目のTHE BOOM「中央線」。ライブ会場が吉祥寺ということもあり、ぴたりな選曲でした。中原さんとの混声で奏でるやさしいメロディーが会場をあたたかく包み込みました。
うってかわって、「エイト」ではIKUさんからロックテイストなピアノでという希望をもらっていました。本番のIKUさんの声は力強く、爽快感とともにびんびんと身体に響いてきて、自然と鍵盤をたたく指にも力がみなぎってくるようでした。
最後は小沢健二さんの「ぼくらが旅に出る理由」までそのままパワフルなステージで締めくくられました。

前半2組のステージが終わったところで休憩前にもう1曲。
バービーボーイズの「目を閉じておいでよ」をカバーしました。およそピアノ1本でアレンジする曲ではありませんが、そこはなんとか、勢いで。
男女のデュエットなので男性部分は中原明彦さんに、女性部分はIKUさん、mogさん、mocoさんが次々に入れ替わりながら登場しました。

みんなかっこよかった。中原さんを次から次へと女性陣が誘惑していくような物語が展開されるようで痺れました。もちろん会場は大いに盛り上がりました。

休憩を挟んでsasuke-yutaさんのステージ。
せっかくピアノとうたうのだからと黒のスーツを身を包み、シックにきめてくれました。ひとつひとつのステージをとても大事にするyutaさんらしい演出に身が引き締まる思いでピアノを弾き始めました。

sasuke-yutaセットリスト

1 雨の遊園地
2 愛があるよ。
3 甘い果実
4 青いベンチ (with IKU)
5 ベイビーアイラブユー

バラードの「雨の遊園地」は神経を研ぎ澄まして、yutaさんの呼吸を感じることに集中しました。ひとつひとつの言葉を丁寧にこころを込めてうたうyutaさんの表現は会場に雨を降らすかのよう、つまりなんというか、映画のワンシーンに入ってしまったような感覚になります。
しっとりとした空気をこんどは「愛があるよ。」でカラッと乾かします。
会場の手拍子に乗って、アッパーな曲を演奏するのはとても楽しい瞬間です。
そして「甘い果実」ではまた雰囲気をがらっと変えて大人なロカビリー。yutaさんの張り上げる声も、ささやくような声も色気がありました。

ここでIKUさんをお呼びして「青いベンチ」。
今回初セッションとは思えない混声のハーモニーは息ぴったり、ビタっと張り付く磁石のごとくでした。
緩急の勾配のあるステージ最後は「ベイビーアイラブユー」で渋くしめくくりました。オリジナル音源はロクセンチで手伝いをしたということもあり、わたし自身も気持ちを漲らせて演奏しました。

最後は中原明彦(fromロクセンチ)が登場。
いつものロクセンチとはまったく違ってこの日ならではセットで賑やかなステージとなりました。

中原明彦セットリスト

1 ずるホリデー
2 バラードうたわせて
3 泣き虫ボクサー(with sasuke-yuta)
4 まぼろしの歌うたい(with sasuke-yuta)
5 すきになったら (with mogmoco)

数年ぶりに演奏された「泣き虫ボクサー」は中原さんとsasuke-yutaさんがその昔共作した楽曲。いまのご時世にぱっとあかるい光が差してくるようなイメージで力強くそしてたのしく演奏しました。

最後はmogmocoコーラスをバックに「すきになったら」をたっぷりと歌い上げました。オリジナル音源にもmogmocoコーラスはレコーディングされており、コラボレーションセッションでピアノだけでしたが、今回むしろオリジナルに近かったともいえます。うれしかった。

さてイベントはいよいよ終りに近づいてきました。

締めくくりは出演者全員で「Joy to the world」です。
今日の分は全部出し切る勢いで力一杯うたい切りました。
全員の歌声は会場の隅々まで響き渡り、客席のみなさまには十分に浴びていただいたのではと思います。

今回も頼もしく素敵なボーカリストに支えていただき、なんとか3時間弾ききることができました。とても贅沢で幸せな時間でした。協力をいただいた出演者、スタッフに大感謝です。
そしてなによりも、平日にもかかわらずお集まりいただいた皆さん、ありがとうございました!!

今後もみなさんに会えるように、楽しんでいただけるように、ライブイベントを企画していきます。
来年もロクセンチをよろしくお願いいたします!

上部へスクロール